結婚というポジションを取った際についてくるリスク

まず最初に、最期まで夫婦円満で離婚しないのならこれから書く心配はありません。しかし、結婚というポジションを取った時点で離婚のリスクを保有することになり、離婚の際は所得が多い方が慰謝料、婚姻費用、財産分与などの債務が発生することを知っておかなければなりません。

離婚によって動くお金には次の3つがある。

  • 慰謝料
  • 婚姻費用
  • 財産分与

それと子供が居れば養育費。

問題なのは婚姻費用と財産分与である。この2つの方が影響力は慰謝料よりはるかに大きく、時には不条理に働く。

相手に非があっても搾取され続ける婚姻費用

婚姻費用とは、離婚成立までの間、夫婦間で稼ぎの多い方が少ない方へ毎月支払うお金の事を言う。婚姻費用はお互いの年収と自営業者か給与所得者と子供の年齢と数によってほぼ機械的に決定されてしまう。

養育費・婚姻費用算定表 – 東京家庭裁判所

http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/

日本では離婚が簡単に認められず、裁判は非常に長くなる。例え、相手に非があり自分は悪くないとしても裁判を続ける限り、毎月婚姻費用を払い続けることになる。受け取る慰謝料よりも支払う婚姻費用の方が大きくなり、泣き寝入りした方が経済合理的になってしまうケースもある。

結婚後の所得は問答無用で夫婦のもの

法律的には、結婚後に稼いだ資産は自分の物ではなく夫婦の共有財産となる。離婚時には共有財産を夫婦で分与することになる。例えば、結婚前に1000万円の資産を持つ夫と、結婚前に100万円の資産を持つ妻が、離婚時に資産が夫:2000万円、妻:200万円となった場合、共有財産は1100万円となり550万円ずつ分与することになる。財産分与によって夫は450万損をして、妻は450万得をする。

夫の結婚前の資産が何十億円あったとしても結婚後の所得が0円だった場合、妻に年収があれば法律上は妻の財産を分与しなくてはならないという不条理な状況になる。日本は男女平等の国なので、「妻」と「夫」が入れ替わっても同じ事になる。

ここまで読むと、所得が低い方にとって婚姻制度は投資的な要素を持つ事に気づくだろう。

”ゲスの極み”な見事なイクジット例

所得連動型のデリバティブ商品と考えると、見事なイクジット例がある。それはゲスの極み乙女の川谷絵音の妻。結婚後の資産の増加分が共有財産にあたる為、バンドが売れる前には結婚していたというのだから最大限のキャピタルゲインがあったはずだ。センテンススプリング様様である。

婚姻中に生まれた子供は夫の子

民法772条の内容は明治時代のものがそのまま受け継がれているため、条文には今の時代では理不尽な事が書いてある。

民法第772条

  1. 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
  2. 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC772%E6%9D%A1

婚姻中に妻が妊娠した場合は夫の子と推定されてしまう。また、離婚から300日以内に生まれた子は婚姻中に出来たと推定される。”浮気はない”という性善説に基づいた前提と、”婚前の性交渉はしない”という今ではありえない前提で法律が作られており、基本的には例え浮気相手との子だとしても夫の子と推定されてしまうようにできている。ただし夫の行方不明や別居や生殖能力がない血液型が違うなどという明らかな根拠があれば推定に及ばないとされる。

推定規定2.は離婚した場合、婚姻中に懐胎したか否かを立証することが困難なため、子の利益のためにあるというが、明治時代はともかく今の時代はDNA鑑定により99.9%の精度で夫の子か否かを証明する事ができるので時代に則していない。しかしDNA鑑定をしようとしてもお互い同意の上でなければならないため、拒否された場合はこの理不尽な条文が優先されると思われる。夫の子として推定されてしまったら、例え自分の子でなくても養育費を払う義務が発生する。

フランスでは婚外子・事実婚が多い

日本ではシングルマザーやシングルファザーは社会的弱者として認識されているように思えるが、世界的にみれば婚外子は当たり前になりつつある。例えばフランスでは事実婚が主流*1になっており、婚外子の割合は56.7%となっている。それに比べ日本と韓国の婚外子は2%と極小数である。*2これは文化的な価値観の違いであると思われる。日本や韓国などでは結婚してなければ子供を生んではならないという空気感があるようで、日本ではそれに輪を掛けて結婚のデメリットが大きくなるような法律があるため、結婚のハードルが上がってしまい未婚率が上がっているようにも思える。

*1 フランスでは約70%(統計上)がカトリックのため、離婚をリスクと考える人が多いのかもしれない。さらに、PACS(民事連帯契約)という法的婚姻関係になるカップルと同等の権利を認め公証する制度もある。
*2 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-7974.php

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