自然農の常識

草は抜いてはいけない

草をむしると地力が落ちていく。

植物は光合成をおこなうことで水とCO2からブドウ糖を作り出している。ブドウ糖は全て使われるわけではなく一部は根から排出される。なぜかというと、微生物や菌にブドウ糖を与え、ミネラルを運ばせているため。また根からは有機酸も排出されており、これはミネラルを溶かして吸収しやすくする働きがある。

つまり、植物は微生物や菌にブドウ糖と有機酸を与え、対価として微生物や菌にミネラルを運んでもらうという共存関係がある。
植物が無ければ微生物や菌は生きられないし、微生物や菌が居なければ植物は生きられない。

草をむしるという事は、土壌の有益微生物を減少させるという事と、その土壌の栄養素を取り去ってしまうということになる。根にはたくさんのミネラルが存在するため、根こそぎ抜いてしまうと、土壌のミネラルが枯渇して酸性に傾く。トラクターを掛けたり草を根こそぎむしっていては土が痩せていく一方である。

1品目の植物がずらっと並んで栽培されている慣行農業においては、病気や害虫被害や連作障害などのリスクが高く、農薬によってコントロールせざるを得ない。しかし考えてみれば、自然界においては1品目の植物が並ぶという状況は異常である。1品目しか植えなかったり、草をむしったりしてしまうと生態系が崩れ、害虫の天敵が少なくなってしまう。病気や連作障害についても、1品目しか植物が植えられていない状態が原因である場合が多く、様々な植物が植えられていれば起こりづらい。

自然農においては、草は抜かずに主役の作物よりも背が低くなるように刈って管理をする。刈り取った草はマルチ代わりに敷いておく。カビが生えるようであれば別の場所で乾燥させるか堆肥にしてから戻す。虫対策としては天敵を呼び寄せるバンカープランツを植えたり、虫除けや互いの成育を共栄するコンパニオンプランツを植えるという方法を取る。

耕すことは良いことではない

耕すことで地力が落ちていく。手間がかかる土になる。

土を耕すということは一般的には良い事とされているが、草むしりと同様に土壌の生態系を壊す事である。そのため、施肥や消毒やpHの調整など、自然が自動的に調整していた作業を人がやる必要が出てきてしまう。トラクターを掛けている土地は表土の下に耕盤層と呼ばれる硬い層が形成されがちになってしまうというデメリットもある。

耕してはいけないとはいえ、定期的にトラクターを掛けていたり、除草剤をまいていたりするような痩せている土地であれば有機物をすきこみ積極的に耕してやらないとすぐには作物が育たない場合もある。

肥料はあまり与えてはいけない

肥料を与えると有益微生物や有益菌が少なくなり地力が落ちていく。

肥料や農薬の散布によって土壌中の微生物や菌などが減少することが分かっている。そもそも、自然界においては肥料を与えなくても植物は育っているため、自然に乗っ取った方法で栽培を行えば肥料は必要なくなってくる。

まとめると、

「土が硬いからトラクターをかける」ではなく「トラクターをかけたから土が硬くなった」
トラクターを掛ける前提だから「土が硬い→トラクターかける」という解釈になってしまう。手を入れず生態系を壊さなければおのずと肥沃になる。

「草が栄養を奪う」ではなく「草が栄養をキャッチしてくれた」
草を抜く前提だから「草が栄養を奪う」という解釈になってしまう。購入した肥料等を施肥しているなら無理もない。

「肥料を与えないと良い野菜ができない」ではなく「肥料を与えるから微生物や菌が減少して肥料を与える必要が出てしまう」
肥料を与えると窒素固定菌や硝酸菌等の仕事がなくなり数が減少していく。するとより肥料を必要とする土になっていく。

前提が違うと卵と鶏を取り違えてしまう。慣行農業においては資材屋さんが儲かる様にできている。

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