死ぬときは皆一人

日記 0 Takuya Kobayashi

高齢者向けの弁当宅配サービスの仕事をしている父親から聞いた話。

いつものように弁当の配達に一人暮らしの●さんの家に行ったところ、●さんが出てこない、玄関のすりガラス越しに倒れているような人影が見えたので戸を開けたら、鍵が開いていた。

●さんが玄関先で倒れていた。声をかけても返事がないので119に連絡。救急隊員に心肺蘇生をするように言われ、●さんの体にさわってみると既に硬直していた。

●さんはついこの間にガンで余命宣告を受けていて、それから食べ物が喉を通らなくなったと聞いていた。数日前の集金の際には歩いて出てくるほど元気だったのに。

契約しているお客さんの中には生活保護を受けている単身の方もいるが、●さんは子供が居る。息子は社長で、娘はなんの職業だか高級車に乗っている。この前のお盆には高級車に乗った娘さんが●さんの元を訪ねているのを見ていた。庭は草刈りもままならないようで草が生い茂っており、そこに高級車を突っ込んで停めていた。

●さんは独り暮らしで話し相手が居なくて寂しいのか、配達の度に雑談をしていた。

●さんは余命宣告を受けてから食べられなくなり、誰にも看取られることなく一人で亡くなった。居間ではなく玄関先で亡くなっていたのだから、誰かに助けを求めていたのかもしれない。

家族が居ないなら未だしも家族が居ながら孤独に死んでいくというのはかわいそうな話です。

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以上